厚生労働省は10日、新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、9日時点で21都府県で計271人の感染が確認されているとの調査結果をまとめた。1カ月前から4倍以上に増えた。変異株は従来の株より感染力が強い可能性が指摘されており、同省は検査や行動歴の調査を強化している。
国立感染症研究所などでゲノム解析して、変異株の種類が確定したものをまとめた。内訳は、英国で報告されたものが260人と96%を占め、南アフリカで報告されたものが8人、ブラジルで報告されたものが3人だった。
都道府県別では、大阪が最多の62人(すべて英国型)。次いで埼玉41人(英国型40人、ブラジル型1人)、兵庫38人(すべて英国型)、新潟32人(同)、神奈川22人(英国型18人、南ア型4人)、京都19人(すべて英国型)、東京14人(同)と続く。ほかに福島、茨城、栃木、群馬、千葉、石川、山梨、長野、岐阜、静岡、滋賀、岡山、広島、鹿児島の各県でも確認されている。
これらの国内事例とは別に、空港検疫で74人(9日時点)の変異株感染が確認されている。
厚労省の担当者は「変異株が全国的に主流になって広く流行しているわけではない」としつつ、「監視体制を強化していく必要がある」と述べた。
変異株の感染は、すでに世界中に広がっている。世界保健機関(WHO)の9日時点の報告書によると、英国型は111カ国で確認されている。南ア型は58カ国、ブラジル型は32カ国。英国型は、従来のウイルスに比べて感染力が1・36~1・75倍になっているとされる。感染しやすくなることで患者が増え、医療体制にさらに負荷がかかることが懸念されている。
米国でも英国型が増えている。…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル